増富温泉(ますとみおんせん)山梨県

 

 

   

  「増富」の地名は1875年から1959年まで存在していた増富村に由来し、武田信玄が金山開発中に発見した隠し湯であるという伝承をもち、効能の高さから湯治場として栄え、金峰山をや瑞牆山を望む景勝地で、近代には高浜虚子をはじめ、井伏鱒二や中山義秀、田中冬二をはじめ多くの文人や画人が訪れた。
井伏鱒二(1898年 - 1993年)は昭和初年から戦後にかけて山梨県を数多く訪れ、山梨の文人とも交流している。山梨を舞台にした作品も多く手がけ、井伏は北巨摩(北杜市域)も数多く訪れているが、増富温泉も山宿として何度となく訪れ、1934年に刊行された『田園記』に収録されている随筆「増富温泉場」では増富温泉について書いている。
 

 

 

撮影:2012/06/09